カトマンズ・ノート
80/04/26
●国際電話は勿論、高級ホテル以外は電報電話局でしかかけられないが、できるのはノーマルコールだけ。前金に6 分間270NR(ネパールルビー。約五千円)とられる。日本へは、うまくいって1時間ちょっと。
悪ければ、3 時間以上かかってつながる。話し声は遣いというよりプツプツ切れる感じで、海外で短波放送を聞く感じだ。
●貸し自転車が便利、たいていは1日5NR(九十三円)、大きくて程度の悪いのは3、4NRのところもあった。ただ全体的に古いのが多いので、おしげリが怖くなる。座布団みたいなものがあれば最高。
●フアッション的には男の方が女をはるかに引きはなすくらいセンスがよい。特有のネパール帽、クルタという民族服(これが綿のスリムパンツに襟なしのシンプルな長袖シャッ、色はアイポリーか薄い茶系統)それに淡いのベストや、ダークなジャケットを着てしまう。重ね者センスのよさはフアッヨン雑誌なみ、そのまんま原宿あたりではやりそうな気がするな。
●ヒッピーが多いせいか、喫茶店でかかるミュージックはクリームやジミヘン、ドアーズあたりが多くジェファ!ソン・エアブレーンでもかかればノスタルジーぬきにサイケデリックしそう。
●子供も大人も金持ちも貧乏人も、みんな手ばなをかみ指についた残りを壁な
どになすりつける。遺跡の淡い色はそのせいかも(インドも同じ)。
●ニューロード、フリークストリートあたりに多いが、道端にヒッピーや現地のオッサンが座ってハシシをやっている。喫茶店のようにいくらか金を払うとそこで吸わしてもらえるのだ。インドも大っぴらだが、とてもカトマンズにはかなわない。
●ニューロードにある「PANNA」のパンは一番うまい。インドにこういうパン屋がないから余計感じる。ブレーンなパンは1NRくらい。ちょっと甘かったり、細工があると5NRぐらい。でもみんな1個がでかい。新聞紙ににグンャグシャと包んでくれるところが雰囲気。
●パタンに行くには自転車がいい。行きは上り坂できついがその分帰りは楽。30分ぐらい。パタン近くに動物図がある。きどりのない昔の日本の動物円みたいでいい感じ。入場料は50パイサ(十円)入リ口で子供や物先りのオパチャンが1NRで自転車を見ててやる、お金を払わないならここに置くななどと悪態をつくが、動物園の入り口にはタダで止めていいのだ。切符売りのお兄さんが見ていてくれるので安心して入ればいい。ただしロックはしておくべし。
●ニューロードの突き当たりからナナメ右に延びていくのがインドラチョーク。ネパール箪ーの有名な商店街。
とにかく安いからやたら目移りがしてしまう。それでも必ず値切ってから買うベし。
●カトマンズからの出国税は一人40NR。
●JALのオフィスのすぐ近くに日本料理レストラン「ララ」がある。大衆食堂風で入りやすい。キツネうどんと紅茶で17.6NRだった。
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インド・ネパール旅行の宿命GERI
80/04/26
カルカッタを早く出たい一心で出尭の1日前にフェアローンホテルをひきあげて、
空港のレストハウスに移った。
少し早いけれど、空港まで歩いて15分はかかるので、10時30分出発。
エアコンのきいた涼しいエアポートのロビーでのんびりしていると時間になったので手続きし出国税1人50ルピーを払うとカウンターで飛行機が遅れているのでめしでも食ってこいと食券をくれた。
レストランの奧のバイキングコーナーでめいっぱい食べる。
まぶた君は気分が悪いと食欲がない。
飛行機はコロンポから1 時間遅れて到着。2時50分にカルカッタ空港を離陸した。
ヒマラヤの山々に囲まれたたカトマンズ空港は、ここが国際空路かと思うほど素朴で小さかった.。空港内の銀行は一回に50ドルしか両普できない。
外に出ると、お決まりの、いろんな子供や大人ごっちゃまぜの団体にかこまれる。
シャワーがあるとかセンターに近いとか、みんな勝手なこと言って自分のナワパりのホテルに連れていこうとする。まぶた君は一歩も動けなくなり、大声で「ヒマラヤンビューホテル!」というと、一人がサッと手をあげて、私がフリーで連れていくという。
その男のタクシーまで行くと、フリーと言ったくせに60ルピー(ネパール・ルピー NR)と言うので怒って紙に20NRと書き無理やりその横にOKと書かせる。こうでもしないと信用できない。
タタンーが走り出すと、運ちゃん、客引き、他に関係者二人に我々と六人も乗っている。
案の定、客引きはヒマラヤンビューはno goodで、最近値上がりしたからこっちの方が安くてきれいだと、ホテルのネームカードを見せだした。
客引きが暫命に安いとすすめるので、一回だまされてみることにして、そのホテルを見て気にいったら泊まるけど気にいらなかったらヒマラヤンビューに連れていけ、そして、もしそのホテルに決まったらタクシー代ただにしろというと、客引きは多少悩んだが0Kした。
車の中で「ゴダイゴが2 か月ほど前にコンサートをしただろう」というと、そいつは「私はゴダイプの友達だ」という。だから「私は歌手でゴダイゴと同じレコード会社。やっぱり友達よ」というと、急にギクッとしてすっかり乗り気になりホテル代安くするように交渉してやると宮いだした。
実際に到着してから交渉してくれホテル代が安くなった(ツイン50NR→41NR)。
ホテルスナッグはニューロードのつきあたり宮殿あとのゴチャゴチャしたもう全体が遺跡という感じの広場を左に入った、えらくホコりっぽいところだったが、いかにもカトマンズらしかったので泊まることにした。
部屋に入ってホッとしたら、まぶた君が急にグッタリしたので熱をはかると8度をこえていた。
おなかが痛いというので宿命のGERIを直感。
何だか私までおかしくなってきてその晩から二人してヒマラヤGERIの洗礼をうけることになった。
インスタントみそ汁を持ってきたのを思い出し、きっとおなかによいと思ってホテルの子供にボイルドウォーターを頼んだ。しばらくして持ってきたお湯は賞色っぽく、小さなモロモロが中にうごめいていたので、沈むのを待ってから、みそ汁をつくった。
まぶた君は「オイシイ、オイシイ」と言って飲む。「あっワカメだ!ネギだ!」と二人で大さわぎ。おなかにしみこんでいく。
それでもまぶた君の熱は、とうとう9度近くまであがり、ウンウンと苦しそう。その晩二人は、
定期便のように下りトイレ行きの特急を走らせたのでした。
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